一回さらっと読んだら終わりという読みかたとは違い、一言一句隅々まで精緻に味わうことになるのがポイントで、必然的に個人的な自分なりの味わいかたになります。なぜここでその言い回しをする必要があるのか、なぜここに来るのがその言葉であって他の言葉でないのか、どうしてあからさまにそのものズバリを言っていないのに手に取るように感じが伝わってくるのか、つまりこの人のこの文がどうしてこんな風に素晴らしくてすごいのかということを自分なりに考えるということになります。これを続けていくことで言葉に対する自分なりの感じ方が蓄積されます。言葉に対しての感覚がある程度蓄積されるとその蓄積された感覚を拠り所にして言葉を取捨選択できるようになっていきます。