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教育に期待することと、最高の成功のかたち

子どもたちを学校に行かせている親たちが期待していることはなんでしょうか?

子どもたちはいずれは自分たちの力で人生を切り開いていかなければなりません。

そのときになってから親がしてあげられることはあまりありません。就職活動を代わりにやってあげることはできませんし、就職した後も子どもの代わりに仕事はできません。もちろん恋愛も本人にしかできません。

親がなにかしてあげることができるのはもっと全然手前の時間にかぎられます。

成長できる環境を整えてあげることだけです。成長した結果として自身の力で人生を切り開いていくことになるのです。

(この記事は先日の『勉強をする意味』の続きです)

人を成長させることができるのはその人本人だけ

ここで重要なのは親が子どもを成長させることはできないということです。子どもの怪我や病気を治すのが親でもなく医者でもなく薬でもなく本人の治す力であることと同じです。

つまり成長も子どもが自分から自発的にする以外にはできないのです。

だから親は子どもが成長しやすい環境を整えるためにできるだけのことをしようとします。

そのひとつが子どもを学校に行かせることです。親が自分では教えてあげられないことを教えてもらうことができます。

なんでもいいからとにかく学校に行ってさえいればいいのではありません。「良い学校」に行かせてやりたいのです。

「良い学校」に行かせることができればその後の人生を有利に運ぶことができるからです。

「良い学校」に行かせるためには競争に勝たなくてはなりません。しかし普通の学校に普通に通っているだけでは競争に勝つのは難しいので、競争を少しでも有利にしようと高いお金を払って子どもを塾に行かせます。

親は子どもを自発的に行動できないほうへ追いやっている

子どもが自分から塾に行きたいということはない年頃のことです。自発的な学習ではありません。うまく誘導されているだけです。たまたま本当に勉強がフィットした幸運な子を除けば我慢を強いられているのです。

マシュマロ・テストでは、将来のより大きな成果を得るために目の前の衝動を先送りできる子が、その後の人生でも社会的に成功しているとされてきました。社会的な成功ってなんだ? と思いますが、子どもに勉強させたい親にとってジャストフィットな情報なので、みな迷うことなく信用して利用してきました。

でも実際は、2つめのマシュマロを手にすることができる子だったから成功したのではなく、経済的に豊かな家庭の子が自分の衝動をコントロールできるだけの余裕を持つことができ、良い教育を受けることもできるから成功していたことが判明したと2018年に発表されました。

マシュマロ・テストについては『個人的な真実、つまり自分らしさと自由の意味』のほうにもう少し詳しく書きましたのでよろしければこちらもどうぞ。

#自由 #マシュマロ・テスト #セルフコントロール #個人的な真実

マシュマロ・テストの再現実験から、「やりたいこと」はやりたいと「おもわされている」だけかも、と思う

その「やりたいこと」は、もしかしたらやりたいと「おもわされていること」かもしれません。自分で望んでしたことがもとになって望まない結果になってしまうことはよくあります。でもこれは本人のせいだとばかりはいえません。その人の世界の成り立ちによっている部分が大きいのです。

つまり親が危機意識や必要な情報を持っていたとしても子どもを塾に行かせてやることができるだけのお金を持っていなかったら学歴競争で勝利するのは難しいという、なんとも身も蓋もない話だったのです。

マシュマロ・テストのようなことは今信じられていることのなかにもまだまだあるはずです。しかも高学歴だけでは安定した人生を保証できない時代になっています。

それでも親たちが高額の教育費を払うことをいとわないのはなぜか。

とはいえ世の中では学歴競争が一番フェア

世の中で一番フェアな競争が学歴競争だからです。しかも一発逆転が可能なのです。入試に不正があったり学歴ロンダリングが問題になっていますが、それでも他の分野で頭角をあらわそうとするよりもはるかに確実にむくわれるのです。子育てをしている親で「ビリギャル」や「下克上受験」という言葉から育てている子どもが勝利する可能性を想像しない人はいないでしょう。

だからみんな受験テクニックを磨くのに精を出します。ただ残念ながら本当に勉強になっているような人はあまりいないようで、『宇宙に命はあるのか』を書いた小野雅裕さんのような、まわりにもすごい人がわんさかいる人でも

「ぼくより優秀な成績だった同級生たちはみな途中のどこかで勉強することをやめてしまった。ぼくは勉強をやめなかったから今の自分がある。みなさん、こつこつ勉強してください。こつこつ勉強を続けられる環境を自分で整えてください。おおきな夢を実現するには時間がかかりますから」

と JPIC YOUTH の講演でいってました。

わくわくできるか

小野さんの言葉は自身が人類の代表としてNASAで働く本物の科学者だけあってものすごい説得力がありました。本人が自分の仕事に本当にわくわくしているのが伝わってきて、聞いているだけのこっちまでわくわくしてしまいました。

マシュマロ・テストについてはそもそもなにを成功とするのか疑問を感じましたが、小野さんのように自分のわくわくをコンパスにして生きることができるというのは最高の成功のかたちのひとつだと思います。

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マシュマロ・テストの再現実験から、「やりたいこと」はやりたいと「おもわされている」だけかも、と思う

その「やりたいこと」は、もしかしたらやりたいと「おもわされていること」かもしれません。自分で望んでしたことがもとになって望まない結果になってしまうことはよくあります。でもこれは本人のせいだとばかりはいえません。その人の世界の成り立ちによっている部分が大きいのです。

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naoan

始めるのに遅すぎることはない、とすごい人たちがみんな口をそろえていうので、まにうけて人生たのしもうともいます!