親指シフトで高速入力するためには意識的な練習が必要になるっぽい
最近親指シフトを覚えて仕事でも常用しています。
もともと僕はローマ字入力でしたが、会社の人たちはみんな入力がとても速く、僕より遅い人はなかなかいないのでどちらかといえば遅いほうだったと思います。親指シフトをすすめるブログとかで良さそうに見えたのでやってみることにしました。
順調に練習してローマ字入力と同じくらいの速度で入力できるようになったところで、完全に親指シフトでの入力に切り替えました。
習得難易度は親指シフトよりもローマ字入力のほうが高い
ローマ字入力を始めたころはときどき夢のなかでもタイピングしているところがでてきて、「ちゃんと」は「tyanto」、キーボードのホームポジションから左人差し指を伸ばして「t」を入力して、次の「y」は右人差し指、という感じでタイピングの動作を意式的に確認している夢でした。あまりにもリアルなので目が覚めたあとでもつい今しがたまで入力していたかのように疲れててちゃんと寝た気がしませんでした。
一方親指シフトを覚えるときはローマ字入力のときのようなハードな矯正感を感じることもなくできるようになっていき、普段の入力をすべて親指シフトに切り替えてからは特別に練習しなくても自然にローマ字より少し速いくらいになりました。
親指シフトを長期間使えるように準備を進めた
そんなに猛烈な速度で入力したいわけではないですし、高速で入力できるようになったとしてもアタマのほうが追いつかないですから、自分としてはイライラすることなく快適に入力作業ができていますし、入力速度に関してはとりあえず満足していました。
この先も親指シフト入力を続けられるように、ひと昔前のDELLキーボードも5枚ぐらい確保しました。スペースキーが「v」と「b」の真下にその2キーの長さだけになっているタイプで、割と親指シフトに向いたレイアウトだと思います。
指がしゃべりだす前に入力間違いが増え始める
欲しい字のある場所を思い出さなくても手が勝手に動いてくれることがだんだん増えてきて、このまま自然に習熟していけばホントに指がしゃべりだす感じになっていくかも? と楽しみにしていたのですが、だんだん速くなってくるのと同時に入力間違いの修正もふえてきて、どうやら簡単ではないということがわかってきました。
この場合の入力間違いの厄介なところは入力動作としては誤りがないところです。入力のような単純作業で間違いをするときは間違った動作をし始めたときにはすぐわかりますが、しかもどうかすると間違える直前からわかったりするぐらいですが、動作に間違えている感覚がないと画面に動作と違う文字が表示されたときにびっくりします。間違えた自覚がまったくないので一瞬パソコンが故障したかと思いました。
一番多い入力間違いは「ずく」
僕がいま一番多く入力し直しているのは「ずく」です。
「する」と入力するつもりだったのが親指シフトに特徴的な同時打鍵判定のために「ずく」と入力したことにされてしまうのです。
「す」の入力は c キー 「る」の入力は右親指シフトしつつ i キー
これを調子にのって入力すると(たったいまも直前で「入力ずくと」となってしまったのを直しました……)左手中指で c キーを押して、間髪入れずに右手親指シフトと同時に右手中指で i キーを押すのが一拍に近い感じになります。
気分的にはローマ字入力で「えい」と入力する感じです。
左手中指で e キーを押して、右手中指で i キーを押すのをほとんど同時に、音でいえば「タタ」とか「タラ」ではなく「ズヮ」っと入力している感じです。
スポーツのリプレイで流れるスーパースローモーションのような感じでイメージすると、左手指がキーを押し下げ始めたころには右手がすでに次のキーに向かっています。両手が同時に下に動いていくのですが構えに若干高低差があるためキーボードに到達するタイミングが違います。そのタッチの差を利用してほとんど一拍で入力している感じです。
同時打鍵の判定が原因
ローマ字入力の場合は e キーをはなす前に i キーを入力しても何の問題もありません。同時打鍵という概念がないのでほぼ同時に打鍵していたとしても順番に入力を受け付けます。
親指シフトの場合はひとつのキーに2つのひらがなを割り当てています。そのキーだけを打鍵するときと親指キーと同時に打鍵するときとで出し分ける仕組みです。
そしてひらがなには濁音もあるわけですが、これは濁音にしたいひらがなを入力するときに入力する手と反対の手の親指シフトキーを同時打鍵することで入力します。
たとえば「ず」を入力したいときは「す」が割り当てられている c キーを左手中指で打鍵するとき、濁点化するための右親指シフトキーも同時押しする方法になります。
同時打鍵とはいっても人間のすることなので完全に同時というのは無理ですから、どちらかのキーがちょっとぐらいずれて入力されても同時に打鍵されたと判定できるように、何かのキー入力があったときはつねにちょっとだけ同時打鍵入力があるのを待っている仕組みになっています。
そしてもし同時打鍵があったらその判定のためにカウントしていた待ち時間は一度クリアされて、またあらためて次のひとつめのキー入力を受け付ける状態になります。だから右手の親指シフトが2文字連続でつづくときは親指シフトキーも入力ごとに打鍵しなおす必要があります。「まる」なんかがそうで、どうしても右手全体を上げ下げするような感じの入力になってしまいます。
「する」が「ずく」と入力されてしまう現象は、この仕組みのために起きてしまうのです。
「す」を入力したすぐあとに親指同時入力の「る」を入力しようとすると、「る」のためのシフトが「す」にとられて「ず」になってしまい、同時打鍵判定がそこでいったんクリアされます。すると「る」のつもりの入力は同じキーに割り当てられているシフトなしの文字「く」が入力された、と判定されてしまうのです。
押したキーの離しかた
同時打鍵判定の待ち時間を設定で短くして、「する」とスムーズに入力できるようにしてみたら、判定が厳しくなり過ぎてしまい、そのほかの入力がなかなか同時になってくれなくなってかえって使いづらくなってしまいました。
しかたなく設定をもとに戻して、「す」「る」と入力するような気持ちで意識的に一文字ずつ入力するようにしました。
いまの感覚は手書きで文字を書くときに書いている文字を声にだしながら書いているときと似ています。考えていることが勝手に画面上で文字になっていくというような感覚とは程遠いです。
最初はどのキーを押せば思った文字が入力されるのかということばかり考えていましたが、じつは押されたキーをきちんと離すことに気をつけないといけないということがみえてきました。
同時打鍵系の入力方法はNICOLAに限らずきっと全部そうなんだろうなぁ。
2018-10-17 結局親指シフトはやめてほかのカナ配列を試すことにしました。