昆虫の種類が急激に減少しているのはきっと人間のせいだ
この記事は人間の工夫程度では昆虫の美には逆立ちしたってかないっこないの続きです。
最近になって昆虫類が急激に減少している
国立科学博物館 特別展「昆虫」(以下「昆虫展」)にいって最近昆虫類が急激に減少しているということを知りました。人間が自然に手を入れていることとか、外来生物を持ち込んだりして生態系が変わることとか、そういったことが原因だとされています。
人間がちょっとしたことをしたぐらいでは地球はびくともしないものでした。山登りにいって便意をもよおし、近くの川で済ませたからといって、ひどい伝染病でもないかぎりその川の下流域に生活しているひとがその川の水を使えなくなってしまうということはありません(想像したらそりゃイヤですけど)。
ところが農業革命のころから人間は地球の環境が変わってしまうような活動を始めました。牧畜で砂漠がひろがるようなことがおこっています。
そして産業革命以降になると影響が爆発的に大きくなるのですが、それが自分たち人間に直接影響してくるようになるまであまり気にしない鈍感さで活動を続けます。気分的には山登り中に川で用を足しているのとあまり変わってなかったんだと思います。
自分たちのせいで環境が破壊されていることに気づいているのに行動をあらためられない欲深な人類
途中でまずいことになると気づいたわけですからそこですぐやり方を改めればよかったのです。しかし欲に目がくらんだ一人ひとりの判断は「自分だけならたいしたことないだろう」であらためることがないまま全員一丸となってより激しくお金儲けにはげんだため、気づいたころにはいろいろ大変なことが起きてしまい、何も悪いことをしていない地球上のあらゆる存在に影響がはっきりでるようになってしまいました。
オゾンホール、エルニーニョ・ラニーニャ、巨大サイクロン、洪水、寒波・熱波、永久凍土の融解……
昆虫の絶滅のおそれもそうした影響の一つです。絶滅の危機にあると考えられる種をまとめた目録はレッドリストと呼ばれ、環境省が公表しているレッドリストには昆虫類が867種(または亜種)掲載されています。
各種の行政や自然保護団体などによる保全活動が行われているということなのですが、昆虫の体の組織の全機能が解明できてるわけでもないぐらいなのに、もう希少な生き物になってしまった種類の昆虫を保全するための調査研究を今からするところだそうで、ちょっと間に合いそうにないと思います。
もちろんなにもせずに手をこまねいているより百倍いいにきまってますが、その保全活動に対する支援が十分ではないと「昆虫展」の解説にありました。
環境保護とか保全とかといった表現からしてすでに人類の驕りを感じる
それにしても「保全」という言いかたからはなんとなく人間の都合でとりあえず現状維持できるようにしようという感じがして、本来の生命に満たされた環境に復そうという意志があまりなさそうなのが気になります。
あまりにも色々なことが複雑に絡み合って現在の地球環境ができているので、これさえしていれば OK というような簡単な解決策が見つかると思うこと自体が驕り高ぶった勘違いなんじゃないだろうかと思ってしまいます。いろいろあるのでいろいろ考えないと。
人類は自分の健康ひとつとってもこうすれば OK という勘違いのもとにむしろ病気の種類を増やすような過ちを繰り返しているのですから、やっぱり前回記事『人間の工夫程度では昆虫の美には逆立ちしたってかないっこない』でも思い浮かんだのと同じように、生き物に真摯に学ぶ姿勢をもつことが豊かな未来の創造につながりそうです。