自分がレベルアップしていることを簡単に確認できる方法と、これを逆利用して簡単にレベルアップしてしまう方法
いつもおなじことの繰り返しでたいして進歩していないような気がする。
目立つ変化がないときは、えてしてそんなふうに感じてしまいがちですが、毎日いきている人間が何も変わらないということはありません。
自分がレベルアップしていることが実感できるとやっぱりうれしいものですし、自分を確認できるとこれからどっちにいけばいいのかはっきりするので、生活にハリと潤いがでてきます。
自分がレベルがアップしているかどうかを簡単に確認できる方法をお伝えしようと思います。僕もこれでずいぶん違ってきていると思います。
さらに、この方法を逆方向に利用すると素早くステップアップしていくことができることに気がつきました。一を知って十を知るタイプの人とか、最初から経験者のようにいきなりある程度できる人は、この方法を自然にとっています。
自分がレベルアップしていることを簡単に確認できる方法とは
どれだけ新しい観点が増えたかどうかで、レベルアップしているかどうかがわかります。たとえば小学校生活を通じてどれだけ観点が増えるか考えてみましょう。
- うまくトイレにいけないなんてことはまずなくなる
- 勉強のできるやつをすごいとおもったりする
- 足の速いやつをすごいとおもったりする
- おもしろいやつをすごいとおもったりする
- 異性に素直な態度をとれないやつがいたりする
- 集会でフォークダンスをすることになっているのに異性と手をつなぐのを拒否するやつがいたりする
- ニュースをみて意味がわかるものが少しあったりする
もちろんこれが誰にでもすべてあてはまるということではありませんし、これ以外にももっといろいろな観点がありますが、小学校に入学するときと卒業したときとで違っている点ということは言えるとおもいます。
現在ではこれらの観点とは別の観点で日常を過ごしていると思います。しかしかつての観点が現在の観点と関連がないということではありません。そのときの自分の観点やおかれた状況からくる、必然的なエネルギーと方向性に押しやられて遷移することになった、自分なりに洗練された観点です。
現在までに達成しているもののエッセンスが観点であり、それを共有する仕組みが文明
こうすればうまくいく、そのヒントを求める人に向けてビジネス本が作られます。内容は具体的なものから抽象的なものまで千差万別ですが、共通する部分は「観点を紹介している」ということです。
ビジネス本の価値は、本の値段、厚さ、作者などとは関係ありません。自分にはない観点を得られることにあります。世間でどんなに評判になっていても自分にとって新しい観点がなければ無価値です。もっといえば時間とお金の浪費です。読んで視界がひらけたような気がすることが少しでもあったら、それが良本です。
「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があります。これも観点についての話で、自分にない観点をほかの二人が持っているから、それらをあわせて考えることで、いい知恵がでてくるということです。よく「知恵を借りる」といいますがこれも自分になり観点をいただくということです。
似たような話ですが、千人の烏合の衆がいて、克服すべき難題をいくつもかかえているけど、烏合の衆はどこまでいっても烏合の衆のままでいつまでたってもひとつも解決にいたる見込みがない。その烏合の衆に知恵のあるものが三人加わったら、全員が機能的に動ける優秀な集団になり、たちどころにすべての問題が解決に至った。という話をどこかで読みました。
観点を共有することで集団全員が豊かに過ごせるようになり、代々受け継がれ洗練されてきたのが文明生活だということができます。
ということは、「この観点があればもう一皮剥ける」という観点を知ることができれば、それだけでその観点が生み出された到達点にすばやくたどりつくことができる、ということになります。
観点さえあればたいていのことは実現可能
才能、遺伝的素質が関係してくるレベルは観点でたどり着ける地点の先にある世界です。世間ではひとより早い進歩を見せる人を才能があるといいますが、最初は必要な観点を知っているかどうかの影響が大きいので、実は才能の問題ではありません。観点でいけるところまでいってはじめて才能があるかどうかわかります。
ただ才能の有無については、やってみたいと思うことがすでに才能のあらわれだという人もいて、それも一理あると思います。友達や状況からの影響を除いてもなおやってみたい気持ちが変わらないとすれば、それは才能といっていいと思います。これについては『なぜヒトは学ぶのか』の説明に説得力があります。
『奇跡のレッスン』というNHKのスポーツ系ドキュメンタリー番組があります。世界の一流指導者を招いて中学生の部活動を一週間コーチしてもらいます。たったの一週間でまるで別人になったかのような進歩を見せる生徒たち。技術的な観点だけでなく、精神的にも中学生の気持ちに寄り添って潜在能力を引き出す手腕はさすがです。これは才能ある人が才能を発揮できるところまで自分をもっていくのに必要だった観点をよくわかっているからです。
レベルアップしたらもつことになる観点を先につかんでレベルアップを加速する
通常の人間では手が届かない高み、たとえばオリンピックで金メダルをとる、ノーベル賞をとる、歴史に名を残すような偉人になる、といったようなことはやはり才能が必要です。
しかしそういった高みでないならば誰にでも手が届きます。社会的な成功をおさめる、周囲の人と良好な人間関係を築く、生活に困窮する人が減る世の中を作る、といったようなことは才能の問題ではありません。
奇跡のレッスンを視聴していただくとすぐわかりますが、人は必要な観点さえ得られれば、はるかな高みでない限りどんなことでもできます。
なにかをなそうと思ったとき、まず観点を集めてみること。これがいわゆる「ツボを押さえる」ということになります。
複数の入門書を見比べてみるといった簡単なことで十分です。これをするだけでその後の進歩が全然違ってきます。知ってるつもりのことでも洗い直してみることをおすすめします。
自分が成し遂げようと思っていることのイメージがつかめるとともに、いくつかの観点が得られたら、次はそれらに対して現在の自分がどの程度の位置にあるのかを把握します。これは客観的な把握でないと意味がないので、数値などのごまかしの効かないもので測るのがよいです。スポーツなど身体動作の場合は自分の映像で把握します。
そして各観点での理想のイメージと実際の自分とのギャップに強い不満を感じます。本来の自分は理想のイメージであるはずなのに現在はまったく自分らしくない状態であることを味わいます。
じつは人間にとって、イメージできることはできることなのです。観点があれば自分で持てなかったイメージが持てます。できなかったことができるようになるということです。