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フェルメール展@上野の森美術館

フェルメール展にいってきました。

チケットは少し高めです。音声ガイドが来場者全員に無料貸出されますし、主催者挨拶、会場マップ、全作品の解説などが記載されている小冊子も配布されますので、その分と入場日時指定システム費用とがあわせてチケット代に含まれていると考えると、そこまで高くはないかもしれません。

入場日時指定があり、あまり混んでいない。指定時間帯後半に入場すると見やすい

フェルメールと同時代のオランダの画家も一緒に展示されています。今回見に行ったタイミングでは全部で46点でした(10月5日から12月20日までと、1月9日から2月3日までは47点になります)。そのうちフェルメールの作品は7点でした。

展覧会場の上野の森美術館は、入場時間を指定してチケットを購入する仕組みになっているためか、あまり混んでいませんでした。混雑するスポットというか、混雑集団みたいなものが発生し、それがなぜかみんな一団となって移動していくので、ほかが空いているのにその集団内にいるとずっと混んでいる感じがしてしまうでしょう。実際、一度ざっと全体を見てからもう一度始めから見ていこうと思い、最初の絵に戻ったら、ものすごく空いていて、前にひとりも立っていない絵が何枚もある状態でした。

入れ換え制ではないので、あわてて見て回る必要はありません。指定の入場時間の後半に入場するようにすると、貸切に近い見やすさで楽しめると思います。

写真のようにリアルな絵をかくための技術水準が一番高かった時代かも

写真の歴史は1800年代に始まっています。フェルメールが活躍したのは1600年代なので写真はまだありません。

当時は夫婦を一枚ずつの肖像画にかいてもらうことが一般的なことだったそうです。記念写真と同じ感覚だったのでしょう。

職人的な画家がたくさんいたのだと思います。そういう時代環境でリアルな絵をかく技術がどんどん進歩していったのではないでしょうか。

描かれている衣服や毛皮の質感が絵とは思えないほどリアルに迫ってきます。

黒い服に光があたって白く反射しているように見えるのに、その部分をごく近くからみるとただの暗い灰色でした。

屋外の日なたで銅の鍋を洗っている部分では、銅鍋に太陽が映ってまぶしく輝いている点は濁った黄色がぶ厚く置いてあるだけでした。

おなじ色の壁に日があたっているところといないところがあって、もちろんそれぞれ違う色が塗られているのですが、写真をみているときのようにおなじ色のひと続きの壁面にしか見えません。

空気が霞んでいる光景がリアルに表現されている作品が、写真ではなく絵だということに驚きます。

フェルメールは光の魔術師といわれるだけあって抜群だった

そんなリアルな作品のなかでもフェルメールの絵はやはり群を抜いていました。

そこにあるすべてのものがそこにあるべくしてあるような、そして現実のある一瞬のスナップであることが伝わってくる人物の動作も相まって、全体から圧倒的なリアリティを感じます。もしかしたら60年代のフォークソングのレコードジャケットよりも現実的かもしれません。

あまりにも真に迫っているので、絵を見ているというより、誰かの私生活をこっそり覗き見ているかのような感覚になります。

フェルメール展(東京展)の概要は『東京展概要』をご覧ください。

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Author

naoan

始めるのに遅すぎることはない、とすごい人たちがみんな口をそろえていうので、まにうけて人生たのしもうともいます!