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新JIS配列が3日で使えるようになる簡単な方法

もしかしたらこの方法であれば親指シフトも短期間で使えるようになったかも知れません。

親指シフトを覚えるときは6週間から8週間ぐらいトレーニングしていたと思うのですが、今回の方法で新JIS配列を練習してみたら3日でローマ字入力の6~7割の速度がでるようになりました。

あまりにもあっさりできるようになったので、自分でも驚きでした。いままでの苦労はいったいなんだったのか…… 苦労を開始する前の自分に教えてあげたいです。

これまでの紆余曲折は『新JIS配列は覚えやすくて入力が楽』で少し触れています。

#新JIS配列

新JIS配列は覚えやすくて入力が楽

日本語の文章をパソコンで効率的に入力するための配列を探して、いろいろ考えたのですが、新JIS配列を使ってみることにしました。配列を探すことになったいきさつは、『月配列E-Xの使用を中止することにした』に書いたのですが、そのときは手の小さい僕でも使いやすい月配列系を探すつもりでした。しかしたどりついたのはどういうわけかphoenixかな配列でした。

新JIS配列が3日で使えるようになった実際の手順

  1. SandS の設定をする
  2. 新JIS配列の配列表を用意する
  3. 寿限無、ルパン三世のテーマ、誰よりも遠くへ、のテキストを用意する
  4. 入力方法を新JIS配列に設定する
  5. 配列表を見ながらテキストをすべてひらがなにひらく
  6. 一日二回、朝晩ひらがなにひらいたテキストをタイプする

なぜ SandS の設定が必要なのか

SandS とは、Shift and Space の略で、スペースキーに shift キーの機能も持たせた設定のことです。スペースキーを押しながら文字キーを押すと shift キーとして動作し、スペースキーを単独で押して離すとスペースが入力されます。

新JIS配列のメリットはシフト面がひとつだけで記憶量が少なくすむことと、連続シフト可能なこと(シフトキーを押したままシフト面の文字を連続で入力できること)です。このメリットをいかすにはシフトキーの場所が重要になります。親指で押せること、つまりシフトキーを押したままそのほかの4本の指を自由に使えること、そのような配置にすることで新JIS配列のメリットをいかすことができます。

このメリットをいかせるシフトキーの配置が SandS なのです。逆にいうと、キーボードの左右にある Shift キーでシフト操作すると新JIS配列を使うメリットが弱くなってしまいます。だから新JIS配列は廃止されることになったといってもいいでしょう。前置式の逐次シフトなら中指シフトの月配列のほうが使いやすいと思います。

SandS の設定は、Windows なら DvorakJ を利用するのが一番簡単だと思います。ほかの OS を利用しているかたは、理由があってあえてその OS を利用しているかただと思うので、ご自身やまわりにいるかたでなんとかすることができるでしょう。

配列表の用意について

配列表は自分の見やすいものであれば何でも良いです。僕は Wikipedia の『新JIS配列』にある配列図をプリントしてディスプレイの近くに置き、視線の移動が最小限になるようにして使いました。

デュアルディスプレイや、大画面環境の人はプリントする必要はないです。ごく短い時間しか使わないからです。

配列表を長いあいだ使うことになると思って僕はプリントしましたが、結果的にはそんな必要はありませんでした。このあと説明する、練習テキストを作る段階で覚えてしまうからです。

なぜ、寿限無、ルパン三世のテーマ、誰よりも遠くへ、なのか

それは、この3つのテキストで捨てがなを除くすべてのかなをカバーできるからです。そして無味乾燥なトレーニングフレーズではなく、人間が楽しむためのいきた言葉なので、吸収が全然違います。この方法を採用されようと考えているかたに、3つのなかでご存知ないものがありましたら、youtube などで一度ご視聴されておくと、吸収効率が高まると思います。

ところで、『寿限無』と『ルパン三世のテーマ』はたいていのみなさんがすぐわかると思いますが、『誰よりも遠くへ』というのはなんだ? と思うかたもいらっしゃるかと思いますので簡単に説明しますと、かの名作アニメ『トム・ソーヤーの冒険』のオープニングテーマです。

さて、この3つのテキストでカバーしていないのは小書きのかな「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」、「ゎ」です。

「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」は「フィフティー」のようなカタカナ語でごくたまに使う以外は使うことがありませんし、シフト面の左端に上から順に並べられていて、下段につきあたったらそのまま右におれて下段を中央方向に進むという規則正しい配置なので、位置がわからなくなることはありません。あわてて練習する必要はありませんし、必要になったらそのときやり方を考えることにしようと判断しました。

ちなみに「ゎ」は新JIS配列の設計にはありません。僕は Google 日本語入力のローマ字テーブルをカスタマイズする方法で新JIS配列を設定しています。新JIS配列そのものも少しカスタマイズというか、拡張していて「ゎ」が入力できるようにしています。「ゎ」と同じように本来の新JIS配列とは違う設定をしているものがいくつかあります。

	` → ゛(濁点)
	* → !
	? → ?
	[ → 「
	] → 」
	{ → 『
	} → 』

	う + ゛ → ヴ
	わ + ゜ → ゎ
	か + ゜ → ヵ
	け + ゜ → ヶ

最初の濁点の設定は l の単打面とかぶっていますが、これは一度押したシフトキーをなるべく離したくないからです。この設定にすると「日々まえへ」と入力したいときにシフトキーを押したままですべて入力できるようになります。

ほかにも新JIS配列に設定すると打てなくなる記号や旧かななどをいくつか設定しています。純正のかな配列はもともとの設計バランスを崩さないようそのままにして、おもに半濁音キーを利用して拡張しています。ローマ字テーブル全体は記事の末尾に記載しました。

用意した3つのテキストをひらがなにひらいて練習テキストを作る

入力のみに集中しやすくするためにすべてひらがなのテキストを作成します。検索すると3つのテキストはすぐでてきますが、漢字かな交じり文なのです。

ひらがなテキストを作成するときに、いきなり新JIS配列の使用を開始します。まだ文字の位置を覚えていないので、配列表を見ながらということになりますが、ほとんどの文字は何度も打っているうちに指が自然に把握します。

2回めに入力する文字のときはすでに「なんとなくこのへんだったような……」と、あたかもトランプゲームの神経衰弱をしているときのような感覚になりますし、3回めくらいになるともうだいたいわかる感じになります。

なので、練習テキスト作成は寿限無から始めてください。おなじフレーズの繰り返しが多いので文字位置の把握に素晴らしく効果があり、実はほとんどのかながこれだけで覚えられます。

そして、寿限無にでてこない文字と、連接のバリエーションのために、ルパン三世のテーマと誰よりも遠くへの練習テキストを作成します。この2つの作成が完了したころには位置がわからないかなはなくなっています。

練習テキストと同じテキストを朝晩タイプする

結局人間は日常生活で高頻度に遭遇する出来事を重要とみなすので、タイピングの習得もこういってはなんですが頻度の問題なのです。

それにしてもなるべく短期間・短時間で効率よく習得したいのが人情です。

タイピングは自転車に乗るのとおなじタイプの記憶なので暗記などとは根本的にちがい、運動記憶です。文字の配置を思い出す前に指が自然に動いて打鍵できるようになるには絶対に睡眠が必要です。

睡眠時間中に神経細胞の取捨選択が行われます。朝晩にタイピング練習をするということは、睡眠時間の前後にタイピング練習をするということです。睡眠直前に使用した神経は今後も維持すべき重要な神経として強化され、起床後にその神経を使用することでさらに動作に磨きをかけることになります。一晩寝たらなぜかできるようになっていた、というあの感覚はこれにより引き起こされます。

また一日の始まりと終わりにタイピング練習をすることにより、その初頭効果と親近効果で、脳は今日一日の出来事を、「タイピングと、いろんなことと、タイピングだった」というふうに錯覚します。

こうしてまるでタイピング漬けの日々をおくっているかのように錯覚させる効果がすぐにでて、3日後には複数の文字で位置を思い出す前に自然にその場所に指がむかうようになり、ローマ字入力の3分の2から4分の3ぐらいの速度がでるようになっていました。

これぐらいの速度になればもう実戦投入しても問題ないので、普段の入力を完全に新JIS配列に切り替えてしまいます。さらに進歩が加速します。

Google 日本語入力のローマ字テーブル設定

新JIS配列を少し拡張した、Google 日本語入力用のローマ字テーブルです。かぎかっこだけ純正の設計どおりに打てないですが、ローマ字入力とおなじ方法で入力できるのでよしとしています。

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[	「
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z		す
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E		ほ
R		ふ
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S		へ
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H	ま
J	お
K	も
L		わ
+		ゆ
*		!
}		』
Z	ぅ
X	ぇ
C	ぉ
V	ね
B	ゃ
N	む
M	ろ
<		・
>		ー
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_	_
うl	ヴ
かl	が
きl	ぎ
くl	ぐ
けl	げ
こl	ご
さl	ざ
しl	じ
すl	ず
せl	ぜ
そl	ぞ
たl	だ
ちl	ぢ
つl	づ
てl	で
とl	ど
はl	ば
ひl	び
ふl	ぶ
へl	べ
ほl	ぼ
う`	ヴ
か`	が
き`	ぎ
く`	ぐ
け`	げ
こ`	ご
さ`	ざ
し`	じ
す`	ず
せ`	ぜ
そ`	ぞ
た`	だ
ち`	ぢ
つ`	づ
て`	で
と`	ど
は`	ば
ひ`	び
ふ`	ぶ
へ`	べ
ほ`	ぼ
はW	ぱ
ひW	ぴ
ふW	ぷ
へW	ぺ
ほW	ぽ
いW	ゐ
えW	ゑ
かW	ヵ
きW	;
けW	ヶ
ちW	@
なW	:
ゆW	+
わW	ゎ
、W	,
。W	.
゛W	‘
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『W	{
』W	}
・W	<
ーW	>
・<	……
ー>	――

ダウンロードは google-jisx6004-custom.txt をどうぞ。Windows をご利用されているかたはこのリンクを右クリックすればファイルとして保存できるメニューが見つかると思います。

Google 日本語入力へのインポート方法はチヂミさんの『中指ニコラRの導入方法』という記事がキャプチャ画像が豊富でわかりやすいと思います。

ところで新JIS配列では通常入力とシフト入力で別々の文字を入力するので、区別するためにもうひとつ Google 日本語入力の設定が必要です。設定方法は google/horenso の『グーグル日本語入力のローマ字テーブルを使うには』がやはりキャプチャがあってわかりやすいのでご参考ください。

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Author

naoan

始めるのに遅すぎることはない、とすごい人たちがみんな口をそろえていうので、まにうけて人生たのしもうともいます!